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私の話、貴方の話、セレクトショップ的な話、恋の話、夢の話、懐かしい話、カレーの話、府中の話、或いはニッチな日記。


by bb_sele
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恋愛小説 第3話

泣き疲れて少し眠ってしまったみたいだ。

浩志もこんなふうに、泣いているのかな?

涙の数だけ幸せになれると昔は信じていた。
そんなの嘘だ。涙の数、それはきっと傷つけた人の数。
裏切った罪の数。これから償う罪の数。
もし、本当に神様がいるのなら、私にはどんな罰が与えられるだろう。

自分らしく生きていたい。
一番好きな自分でいたい。
結果、いつも人を傷つけてきた。
時には、今回のように大切な人も・・・・
結果、いつも泣いていた。
自分のバカさ加減に。上手くいかない歯痒さに。
それは矛盾だ。分かっている。世の中は矛盾だらけだ。
ただ、それに身を預けて生きて行くほど、まだ大人ではない。

それにしても静かな部屋だ。埃の降る音が聞こえる位に。
誰かの温もりや言葉がなければ、こんなにも静かなのだろうか。
数時間前までここにいた浩志の声も匂いも、優しさもない。
あるのはただただ、自業自得の果ての自暴自棄だ。

カーテンを開け窓を開くと、眩しすぎる光に一瞬目が眩んだ。
瞼をこすりながら遠くから聴こえるてくる子供達の笑い声や車の走る音が、息苦しい無音状態から開放させた。
今日は2月4日の日曜日。休みの予定は暫くはなくなった。手帳に書いたスケジュールは、必然と意味を無くす。
風に飛ばされる雲を見ながら、ふと思った。
この部屋には居たくないな・・・

取り敢えず街に出よう。そして買い物をしよう。スタバでコーヒーを飲もう。本屋で立ち読みをしよう。DVDを借りよう。公園の芝生で寝そべろう。B.B.に行こう。手帳を新しく買い換えよう。

何を着て出かけようかと、あれこれ悩んだ末、お気に入りだけで纏めたら、少しだけ気が楽になった。気が楽になったおかげで歩き出せそうだ。
「三歩進んで二歩下がる」
チーターも昔言っていた。

一番好きな自分でいたい。
これだけは譲れない。自分を好きになれない人が、人を好きになれるはずがない。
そう信じている。

ドアを開けたら強くて冷たい風が、コートを膨らました。
by bb_sele | 2007-02-04 19:55 | Web小説