店主の恋愛小説 第22話
2007年 03月 13日
痛々しい言葉で綴られた日記は、持ち主の手元から離れ、今ここにある。
二人を引き裂いた見過ごした過去が、今忽然と姿を現した。
突きつけられた真実を上手く呑み込めないでいると、赤い太陽が窓から見えた。
どう足掻いたって過去には戻れないし、今は変わらない。
ただ言えるのは過去の選択の先が今であること。
今日の選択で、未来が大きく変わるかもしれない。
美里の母親に逢って話したいことがある。
ベッドを飛び降り、服を着替えて、病室をこっそり出た。
軽い頭痛と少しの眩暈で上手い具合に歩けないが、どうにかなるだろう。
どうにかしねければ・・・・・
駅までの道をゆらゆらと歩き、交差点で信号が青になるのを待っていると、街がこんなにも煩いのに気付く。
この街には静寂はないのか。それとも誰も求めていないのか。
築き上げた文明のおかげで得たものと失ったものがある。
実際、今日の俺は全く笑うことも出来ずに、揺らめいて、戸惑って、躊躇いがちに躊躇いながら、苦しんでいる。
もう、うんざりだ・・・・・
痛みのない国へ誰か誘ってくれ。
汚れのない国へ・・・・・
空気が冷たい。そして風も。
風の中には色んな答えがあると誰かが言っていた。
もしそれが本当ならどんな手を使ってでも、風の中に忍び込みたい。
そして、俺は知りたい。
「永遠の愛」が本当にあるのかを。
続く。
二人を引き裂いた見過ごした過去が、今忽然と姿を現した。
突きつけられた真実を上手く呑み込めないでいると、赤い太陽が窓から見えた。
どう足掻いたって過去には戻れないし、今は変わらない。
ただ言えるのは過去の選択の先が今であること。
今日の選択で、未来が大きく変わるかもしれない。
美里の母親に逢って話したいことがある。
ベッドを飛び降り、服を着替えて、病室をこっそり出た。
軽い頭痛と少しの眩暈で上手い具合に歩けないが、どうにかなるだろう。
どうにかしねければ・・・・・
駅までの道をゆらゆらと歩き、交差点で信号が青になるのを待っていると、街がこんなにも煩いのに気付く。
この街には静寂はないのか。それとも誰も求めていないのか。
築き上げた文明のおかげで得たものと失ったものがある。
実際、今日の俺は全く笑うことも出来ずに、揺らめいて、戸惑って、躊躇いがちに躊躇いながら、苦しんでいる。
もう、うんざりだ・・・・・
痛みのない国へ誰か誘ってくれ。
汚れのない国へ・・・・・
空気が冷たい。そして風も。
風の中には色んな答えがあると誰かが言っていた。
もしそれが本当ならどんな手を使ってでも、風の中に忍び込みたい。
そして、俺は知りたい。
「永遠の愛」が本当にあるのかを。
続く。
by bb_sele
| 2007-03-13 18:59
| Web小説